労働保険 二元適用の新規開設届

「労災保険と雇用保険の新規開設をお願いできますか?」

「労災保険と雇用保険の新規開設をお願いできますか?従業員は1名で雇用保険適用です。」とのこと。

ひょんなことから知り合った方からお声かけをいただき、とりあえず詳細確認は後回しとしてありがたく引き受けることにしました。

実は労働保険の新規開設届は初めて。

普通の会社で勤務社労士をしていれば年度更新は当たり前に担当することはあっても新規開設の機会はほとんどありません。

ただ、どんな仕事も初めての経験は誰しも必ず通る道。とにかくやってみる、と。

さてとりあえず必要書類、提出先等々調べてみます。

厚生労働省のHPに提出先から提出書類、提出期限等きっちり載っています。

(労災保険) 

提 出 先:監督署

提出書類:保険関係成立届、概算保険料申告書、会社謄本の写し

(雇用保険)

提 出 先:ハローワーク

提出書類:保険関係成立届(事業主控)、概算保険料申告書(事業主控)、雇用保険適

用事業所設置届、雇用保険被保険者資格取得届、会社謄本の写し

※事業主控とは労災保険の届出受付後に監督署にて受付印を押され交付されます。

そんなに難しいことはないと書類の準備を始めつつ依頼者に対象会社の詳細確認をすると、ここで想定外の情報が・・・「建設業です」。

基本中の基本、事業の種類を最初に確認していなかったとは。

たしか建設業ということは、ちょっと手続きが違ったはず。

二元適用事業と一元適用事業の申請手続きの違い

そう、いわゆる二元適用事業となり、申請手続き等がちょっと普通(一元適用事業)と違うんです。

それぞれ定義は以下のとおり。

一元適用事業とは…

労災保険と雇用保険を一つの労働保険の保険関係として取り扱い、保険料の申告・納付等を両保険一本で行うもので、次の二元適用事業以外の事業をいいます。

二元適用事業とは…

労災保険の保険関係と雇用保険の保険関係とを別個に取り扱い、保険料の申告・納付をそれぞれ別に行う、次の事業が該当します。

① 都道府県及び市区町村が行う事業

② ①に準ずるものの事業

③ 港湾労働法の適用される港湾の運送事業

④ 農林・水産の事業

⑤ 建設の事業

参照:厚労省HP https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/116-1c.html

注)ちなみに今回は事業規模が小さく、一括有期事業に該当する会社

二元適用事業と一元適用事業の新規開設手続きで大きく違くのは、

(1)保険関係成立届と概算保険料申告書を労災、雇用それぞれ1部づつ作成し、監督署、ハローワークにそれぞれ提出する

※知ってる人は当たり前の話ですが、保険関係成立届は労災雇用共通用紙ですが、概算保険料申告書の労災は黒字、雇用は藤色(紫色)のものを使います。建築業等の年度更新をしている人にはなにを今更って感じですが、豆知識として。

(2)建設業の場合、請負金額をもとに労働保険料を算定することが認められている。

計算は以下のとおり

請負金額 × 労務費率 = 賃金総額

貸金総額 × 労災保険料率 = 保険料

参照:厚労省HP https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/

社労士試験では間違いなく勉強している場合でもあまり馴染みがない分野だとあやふやになってしまうもの。実務としてやる場合は改めてよく確認しましょう。

届け出先に直接聞いて確認する

またその際の注意事項として、ネットや書籍で調べるのももちろん大切ですが、結局は届け出先に直接聞くのが一番。間違いがなく、そして早いです。

今回で言えば、私も結局監督署とハローワークに電話で直接確認しました(特にネット情報は古かったり場合によっては全く間違っていたりして、確認に余計な時間が必要となることがあるため注意が必要です)。

そんなこんなで、結局、届出自体は監督署で10分、ハローワークで20分とトータル30分程度で完了。特段問題なくすんなり完了いたしました。

二元適用って別業界の勤務社労士だと関わることがほぼないし、何となく馴染みがなく難しいそうかなと思いますが、やってみれば意外と簡単なものでした。

今回、二元適用事業(建設業)の新規開設届で提出した書類

【監督署に提出した書類】

(1)労働保険保険関係成立届

(2)労働保険概算保険料申告書(黒色字)

(3)履歴事項全部証明書コピー

【ハローワークに提出した書類】

(1)労働保険保険関係成立届

(2)労働保険概算保険料申告書(藤色字)

(3)履歴事項全部証明書コピー

(4)雇用保険適用事業所設置届

(5)雇用保険被保険者資格取得届

どんな仕事も初めての経験は誰しも必ず通る道。とにかくやってみましょう!

    

この記事を書いた人

千葉 @hiroshit11
1971年生まれ。千葉市にて2020年8月に開業。
開業決意から約2週間足らず。できるかどうかではなく、やるチャンスがあればまずやってみる、という無謀なスタンスを貫きながら新規顧客をGET。妻と娘3人の5人家族。最近釣りに興味あり。